知らないと腕時計が壊れる?腕時計のメンテナンスとオーバーホールについて
腕時計のメンテナンスについて、自分で行う方法とメーカーなどによる方法に分け、詳しく紹介しています。時計の使用可能年数などにも直結するため必見です。
社会人の必需品ともいわれる「腕時計」。多くの方が「購入してからずっと使っている」という状態です。しかし実は、腕時計には「精密さ」が求められるため、定期的な「メンテナンス」が必要となります。今回はそんな「腕時計のメンテナンス」について詳しく解説していきます。
腕時計のメンテナンス
腕時計のメンテナンスと聞くと一見難しそうですが、そんなことはありません。ここで紹介するメンテナンス方法は
・自分で行うメンテナンス
・メーカーなどによるオーバーホール
以上の2つです。順に紹介していきます。
自分で行うメンテナンス
メンテナンスの方法は簡単で、ガラス部分やベルト部分などをクロスなどでふくだけです。特殊なことは特にしなくて大丈夫なので、汚れているかどうかにかかわらず毎日拭いてください。拭くもののおすすめは「マイクロファイバークロス」です。汚れが細かくとれるためおすすめです。
自分でのメンテナンスが必要な理由
腕時計は「毎日使う」という人が多く、日々汗や汚れがたまることによってサビが発生したり、ベルトが傷んでしまったりします。そのため、日ごろから手入れをすることが大切です。また、腕時計は基本的に肌と密着しているため「皮脂も付きやすい」という特徴があります。これを放置した場合も、サビや臭いのもととなるため注意してください。仮に「ステンレスバンド」などを使用していた場合でも「全く錆びない」とは言えませんので気をつけてください。
また、夏などの汗をかく時期には「腕時計に付着していた汗やサビ」が浮き、かぶれの原因となったり、衣服を汚したりするトラブルが起こりやすいため、注意が必要です。さらに、時計自体が壊れたり、ベルトが切れたりすることもあるため「時計を長持ちさせたい」という方は毎日のメンテナンスがおすすめです。「その日の汚れはその日に落とす」を意識しましょう。
しかし、前述した「自分で行うメンテナンス」を丁寧にした場合、外観を保つことは可能ですが、内部に効果はありません。また、内部のメンテナンスは素人にできません。そのため「時計を長く使いたい」という方は、定期的に時計屋やメーカーなどでメンテナンスを受けてください。
メーカーなどによるオーバーホール
オーバーホールというのは「時計を分解し清掃する」という作業のことです。時計の種類やメーカーなどによって推奨されている年数がありますが、平均すると「購入後3~5年おき」程度の頻度が推奨されています。しかし、時計の使用頻度や種類によってもこの頻度は変わってきますので、正確な年数をメーカーに問い合わせたり、少し早めにオーバーホールに出したりするのもおすすめです。
オーバーホールが必要な理由
オーバーホールを詳しく説明すると「プロが腕時計を分解し洗浄、点検や調整をし組み直す」というものです。そのため「不具合の原因となった部品の交換」や「防水機能が生きているか、という試験」「部品の超音波洗浄」なども含まれています。
仮に使用している時計が「機械式」であった場合、基本的に何年も動き続けますが「内部の潤滑油が蒸発、または凝固している」「歯車が削れてきている」など、不具合に発展しやすい状態となっている可能性があります。そのため「放置していた結果、時計が突然動かなくなる」というケースも少なくありません。また、機械式を例にあげましたが、クォーツ式にも定期的なオーバーホールは必要なので注意してください。
さらに機械式の場合は、部品などが特殊であったり、内部の構造が複雑であったりするため、オーバーホールを断られる可能性もあります。そのため「完全に動かなくなってからメンテナンスに出す」というのはおすすめしません。
オーバーホールのサイン
時計には「こんな状態なら今すぐオーバーホール」というサインがいくつかあります。ここでは例として
・時計の遅れや進みが激しい
・ガラス部分の内側が曇っている
以上の2つを紹介します。
時計の遅れや進みが激しい
まず、時計には種類によって「誤差の許容範囲」が決められています。一般的に機械式の場合「日に10〜20秒ほど」クォーツ式の場合「月に0.3〜15秒ほど」とされていますが、この範囲以上に遅れや進みがある場合には、オーバーホールの検討をおすすめします。しかし「何かの拍子に磁気を帯びた」ということも考えられるため、一度メーカーなどに相談してみてください。
ガラス部分の内側が曇っている
防水機能付きの時計であっても「時計を外さずシャワーを浴びる」「手を洗う」などしていると「内部に水が入る」というケースがあります。少しでも「内部に水滴が入っている」と感じたら、出来るだけ早急にオーバーホールをしてください。この水滴を放置した場合、部品にサビがつき、最悪時計が止まりますので注意が必要です。
その他にも「時計を振るとカラカラと音がする」「リューズがねじ込めない」などもオーバーホールのサインとなる可能性があります。また、これらの原因について「時計を落としてしまった」など、心当たりがある場合には、オーバーホールの際に合わせて伝えてください。そうすることで「どの部分に異常が起きたのか」という推察が可能なこともあり、作業がスムーズになります。
腕時計を長持ちさせるポイント
腕時計を長持ちさせるポイントは「メンテナンスだけ」ではありません。実は「保管場所」も非常に重要になってきます。保管場所を選ぶ基準は、時計の種類によっても異なりますが、すべての時計に共通して言える基準は「磁気から遠いかどうか」です。時計が磁気に近づけられた場合には
・針がくるくる回る
・時間がずれる
などの症状が見られますのでなるべく近づけないよう注意してください。
磁気を発する製品の例には
・携帯電話
・スマートフォン
・バッグなどについているマグネットの留め金
・磁気ネックレス(健康器具類)
・電磁調理器(電子レンジ、オーブンなど)
・ノートパソコン
・ACアダプター(充電器類)
・テレビのスピーカー
などが挙げられます。現代においてスマートフォン、ノートパソコンなどは特に「必需品」とも言えます。しかし腕時計には良くありません。そのため「保管場所は磁気から遠ざける」という意識をしてください。「距離が2倍になった場合、磁気の強さは1/4となる」という法則性もあるため「5cm離す」というだけで、影響は軽減できます。
例えばですが、機械式時計のムーブメントは金属製のため、磁気が近づけられた場合には「部品が磁気を帯びる」という問題が起こります。またクォーツ時計の場合、モーター部分に「磁石」が使われているため、強い磁気を受けてしまうと「モーターの回転」に影響します。こうした原理で時計の針がくるうため、保管場所には注意してください。
まとめ
腕時計のメンテナンスについて詳しく紹介してきましたが、おわかりいただけたでしょうか。多くの人にとっては「聞きなれない話」であったかと思いますが、知っていれば時計が長く使え、新品同様の見た目を保つことが可能です。長い目で見た場合、知っていればかなり得をできる知識なので、ぜひ覚えておいてください。